超高齢化時代、住宅会社の戦略はどう変わるのか

執筆:山本知史(清水英雄事務所株式会社 ディレクター/住生活産業×医療・介護視点コンサルタント)

■高齢化は「社会問題」ではなく「市場変化」

高齢化は、介護や医療の問題として語られがちです。

ですが、住宅会社にとって重要なのは、それを市場変化として捉えることです。

高齢者が増えれば、住宅需要の年齢構成が変わり、必要とされる住宅機能も変わります。

つまり、高齢化は住宅会社の戦略そのものを見直すべきテーマなのです。

■動画でも全体像を解説しています

超高齢化時代、住宅会社の戦略はどう変わるのかについては、YouTube動画でも解説しています。
文章だけでは伝えきれない全体像をつかみたい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。

■新築依存モデルは見直しの時期に入っている

これまでの住宅市場は、若年層や子育て世代を中心に、新築販売を前提として動いてきました。

しかし、若年層人口の減少や世帯数のピークアウトを踏まえると、その前提は変わり始めています。

これからは市場が縮むというより、主役が入れ替わり、売る相手も売る商品も変わる時代だと考えるべきです。

■これから増えるのは「在宅療養前提」の住宅

施設不足や介護人材不足、在宅療養への政策シフト=退院後の自宅療養の増加を背景に、住まいの役割は大きく変わりつつあります。

家は単なる生活空間ではなく、介護や療養を支える場としての意味を強めています。

これは福祉の話ではなく、住宅市場の変化そのものです。

■住宅に求められる価値も変わる

これからの住宅に求められるのは、快適さやデザインだけではありません。

健康を維持しやすい温熱環境、身体状況の変化に対応できる設計、医療・介護機器に対応できる電源設計、将来のリフォームや動線変更のしやすさなど、住み続けられることそのものが価値になります。

高齢化が進む中では、こうした視点が標準仕様の見直しにもつながっていきます。

■これからの住宅経営は「再設計」が必要です

高齢化を社会問題として眺めるだけでは、住宅会社は傍観者のままとなってしまいます。

一方で、市場変化として捉えれば、誰に売るのか、何を提案するのか、どんな住まいを標準にするのかを見直す必要があることが見えてきます。

超高齢化時代とは、住宅会社にとって厳しい時代であると同時に、戦略を再設計する時代でもあるのではないでしょうか。